美容師として働くうえで、ハサミやセニング、コームといった道具を揃える必要があります。ただ、種類が多いことから、どの道具をどのタイミングで使用すればいいかわからない人もいるでしょう。そこで、今回は美容師に必須の道具の名称とそれぞれの用途について解説します。費用相場についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
基本のハサミ・シザーの種類と使い分け
美容師が最も高い頻度で使用する道具のひとつとしてハサミ・シザーが挙げられます。ただ、ひとえにハサミといっても、用途によってさまざまな種類があるのです。たとえば、ベーシックは最も一般的なハサミであり、両方の足に刃がついているのが特徴です。刃の長さによってカット具合を変えられることから、ヘアスタイルに応じて、長さの異なるハサミを適宜選択する必要があります。
一方、片方の刃がクシになっているセニングは、すきばさみと呼ばれることがあります。セニングは、髪の毛の量を減らすために使用する道具であり、カットするなかの2~3割程度の割合で使用するのが一般的です。
そのほか、アールは刃が曲線になっているハサミであり、カットラインが細かいヘアスタイルを作り上げるときに使用します。そして、スライドは片側にしか刃がついておらず、髪の毛のボリュームを調整するときなどに使用することが多いでしょう。
カットやヘアケアに欠かせないコーム・ブラシの種類
美容師になるためには、ハサミだけでなく、コームやブラシの種類も覚えておかなければなりません。コームの中でも、テールコームはパーマをかけるときなどに非常に役立つアイテムです。そして、ジャンボコームはカラー剤をなじませるときや、ウィービング時に使用します。ハイトーンのカラーリングではマストアイテムなので覚えておきましょう。
そのほか、カットコームは、目が粗い歯と目が細かい歯の2種類が備わったスタンダードなコームです。カットコームとシザーを使ってカットをしていくのが一般的とされています。
その他の必須道具と費用相場
ハサミやコーム以外にも、ブラシやハケ、ダッカール、シザーケースなども使用します。カラーブラシ(ハケ)は、文字通り、カラーリングをおこなうときに使用するハケのことです。髪の毛の毛先を塗りやすいように設計されているものや、根本などのレタッチをおこなうために使用するカラーブラシもあります。さらに、部分的に染め分けるために使用するものがあるなど、用途によって使い分けるのがポイントです。適切なカラーブラシを使用することで、カラーリングを効率的におこなうことができ、スピードを早められるでしょう。
また、カラーブラシのほかに、ダッカールも忘れてはいけません。ダッカールはヘアクリップのことであり、髪の毛をまとめるために使用します。カットをするときはもちろん、パーマやカラーリングなど、さまざまな施術のときに使用するマストアイテムといえるでしょう。
なお、ひとえにダッカールといっても、さまざまなサイズがあります。髪の毛の長さやヘアスタイルに合わせて適切なものを選択することが大切です。そのほか、シザーケースも必要です。
シザーケースは、ダッカールやハサミ、ブラシやコームなどを収納しておくケースのことであり、必須アイテムといえるでしょう。
シザーケースにはいくつかの種類があり、腰に巻き付けるタイプに加え、肩にかけるショルダータイプもあります。身につけておくことで、必要な道具を必要なタイミングで取り出せるので、効率的に作業を進めることが可能です。
道具の費用相場
ここでは、道具の費用相場を見ていきましょう。ハサミは種類やメーカーによって金額に大きな差があり、3~10万円ほどが目安となります。実際に手に取って、使いやすいものを選ぶのがおすすめです。また、コームは安いものであれば数百円程度から販売されています。高くても1,000円程度なので、いくつか用意しておくといいでしょう。そして、ブラシは1,500~3,000円程度が費用相場となります。カラーブラシについては、種類によって価格に差があります。数百円程度で購入できるものもあれば、2,000円程度かかることも珍しくありません。
また、ダッカールは1,000~2,000円程度が相場です。そのほか、シザーケースについてはメーカーや種類によって大きく金額が変わります。安くて4,000円程度で販売されているものもありますが、高いものだと20,000円を超えるものも少なくありません。
シザーケースはハサミやブラシ、コームやダッカールなど、さまざまな道具を入れるので、耐久性のあるものを選ぶのがおすすめです。また、素材によって軽さや金額にも差があることから、実際に触ってみて選ぶといいでしょう。