美容師や理容師にとって、美容ハサミは技術に大きく影響するため、もっとも重要なアイテムです。種類や素材を厳選することで、相性のよい美容ハサミと出逢えます。使いやすく、長持ちする美容ハサミを選びましょう。ここでは、美容ハサミ選びのコツを紹介しています。美容ハサミ選びに悩む、美容師・理容師の方に必見です。
美容ハサミに使われるおもな金属の種類と特徴
美容ハサミには、さまざまな金属が使われています。それぞれの特徴を理解し、選ぶヒントにしましょう。ここでは、おもな使用金属を解説しています。メリット・デメリットを踏まえることで、自身に最適な美容ハサミが見つかります。ステンレス鋼
一般的な美容ハサミの素材であり、多くの美容師・理容師が所持しています。ステンレス鋼はサビに強く、切れ味がよいため人気です。湿度が高い環境でも、メンテナンスがかんたんかつ気軽に使えます。ウエットカットをし続けても、長持ちすることがメリットです。また、価格が手頃なため、初めて購入する方に向いています。ただし、他金属よりやや耐久性に劣るため注意が必要です。
ダマスカス鋼
ダマスカス鋼とは、木目状の模様がある独特な鋼材です。異なる鋼を何層も重ねることで、美しい模様を生みだします。さらに、鋼の層により高まる、耐久性もメリットです。切れ味抜群なため、太い髪質や毛束もサクサクと施術できます。デザイン性・機能性にこだわる方は選ぶ価値があるでしょう。しかし高品質がゆえ、価格帯が高価です。美容師・理容師として、技術力が高い方に向いています。
コバルト合金
コバルト合金は、硬く・サビに強いコバルトを主成分とした金属です。コバルトの性質が活かされ、耐熱・耐摩耗・耐腐食に優れています。長期間にわたり切れ味抜群なため、ベテラン美容師・理容師から評価される存在です。しかし、コバルト合金はコバルトの含有率に注意しましょう。含有量によって、品質と価格に差が出ます。予算内で、もっとも多くコバルトが含まれるメーカーがおすすめです。
シザーの形状による使いやすさと特徴
美容ハサミは、用途によって多くの形状があります。複数を使いこなすことで、技術の幅が広がるでしょう。ここでは、形状ごとの注目ポイントを解説しています。技術向上のためには、自身との相性が重要です。ストレートタイプ
ストレートタイプは、美容ハサミの基本です。刃の形状が直線のため、初心者でも扱いやすくさまざまな表現に使えます。トリミング・スタイリングをこなせるため、最初に購入すべき形状です。オフセットタイプ
ハンドル設計が特徴的なタイプであり、手の動きに自然とフィットします。長時間使用しても疲れにくく、1日多くのカットをする場合におすすめです。また、手首や腕の負担が軽減するため、接客にも集中できます。お客さんとの信頼関係に向けて、ベテラン美容師・理容師が好む形状です。クレーンタイプ
オフセットタイプが、さらに機能的になった形状です。手首を曲げずにカットできるため、最小限の負担で済みます。腱鞘炎に悩む、美容師・理容師には心強いでしょう。また、繊細な技術が可能なため、経験値が上がったときに選ぶタイプです。技術が身に付いたときは、検討してみましょう。長く使うために!シザーのサビや刃の劣化を防ぐ手入れ方法
美容ハサミは、手入れをしながら長期的に使うアイテムです。また、繊細なため、正しい方法で行いましょう。ここでは、劣化を防ぐために必要な手入れを解説しています。大切に扱い、気に入った美容ハサミの寿命を延ばしましょう。清潔に保つには
毎日、毛髪・皮脂・水分と触れるため、清潔に保つことは重要です。汚れが溜まることで、美容ハサミは動きにくくなります。カット技術にも影響するので、ていねいに汚れを除去しましょう。また、耐久性の高い素材でも、不衛生にすることでサビが発生します。よい素材を選んでも、手入れを怠ると効果を発揮しません。
1日の最後に、お湯で汚れを流しましょう。油分も落ちるので、水よりお湯がおすすめです。また、挟まっている毛髪を、必ず除去しましょう。その後、乾いた布で水分を拭きとります。
乾燥の重要性
サビを徹底的に防ぐため、乾燥工程は重要です。充分に拭き取っていても、湿度が高い環境ではリスクがあります。乾燥した布で拭き取った後、自然乾燥させると効果的です。すぐにしまい込まず、湿気を開放させましょう。油切り
油切りとは、接点部分に専用オイルをさす手入れです。動きをスムーズにさせるため、週1回程度行います。刃部分に、少量の専用オイルを塗布しましょう。開閉動作を数回することで、刃の隙間にオイルが馴染みます。また、専用オイルが余分についた場合、ティッシュや布で拭き取ることが重要です。べたついたままにすると、汚れが付きやすくなるので注意しましょう。